小説家、檀一雄のレシピ本。「檀流クッキング」は読むだけでも面白い本です。カツオのタタキから始まり、トンコツに柿の葉寿司、ブイヤベースにボルシチと、世界を放浪した檀一雄ならではの実に多様な料理が紹介されています。その中で私がよく作っている「バーソー」を紹介します。

 

本の中には作るのが少し難しいのもあります。美味しいたけのこを求めて、竹林に分け入り、その場で引っこ抜いて食べるなんてことは普通できません。ただバーソーは手間は少しかかりますが、私のように料理がそれほど得意ではなくても、概ね作れる料理な気がします。

用意するもの

檀流クッキングは材料や調味料に関しては結構アバウトです。私はだいたい以下のような材料で作っています。

ネギ:4本

豚バラ肉:300g

にんにく、生姜:二かけずつ

醤油と酒:其々150cc

材料はわりと集めやすいものですね。

 

工程も簡単です(ただし時間はかかる……)

多めの油で、にんにくと生姜を荒くみじん切りにしたものを炒めます。

そしてドン!と細かく切った四本分のネギを加えて、

一時間くらい、弱火で炒めます。いわゆる飴色になるまで炒めるわけですね。そう、ここが一番大変なパートなのです。

豚バラ肉。写真はスライスですが、あればフードプロセッサーで挽肉にします。なければ包丁で叩いて細かくします。

それを飴色になったネギに投入。

少し炒めたら醤油とお酒を入れます。

檀流クッキングにはひたひたの醤油と少しのお酒としか書かれていないので、どれだけの量を入れればいいのか分からないのですが、私は醤油もお酒も150ccほど入れます。

それをゴトゴトと中火で煮込み、

水分が飛べば完成です。

何度か作ってみて思ったのは、結構醤油が重要らしくて、いい感じの醤油を使うと美味しくなるような気がします。

私は井上醤油店の「井上古式じょうゆ」というものを使っています。

バーソーはそのまま食べてもつまみになりますが、私は大方調味料的に使ってますね。ラーメンに乗せたり、チャーハンにもいいですね。ご飯に混ぜるだけでもかなり美味しいです。

あと、水炊きや豚骨鍋などの薬味として使うとなかなか美味しかったりします。

甜麺醤や蜂蜜で甘みを入れるという方法もあるようです。自分の好みに合わせて作るとなおいいと思います。

バーソーの為に豚骨鍋を作る。

せっかく作ったバーソーにと思い、豚骨鍋を作ることにします。

檀流クッキングには豚のスペアリブを使った「トンコツ」なる豪快な料理も紹介されていますが、でも今回作るのはベーシックな豚骨鍋。

主に三分間クッキングのこのレシピで作っています。

たっぷりの水にスペアリブ、ネギ、生姜、にんにく、昆布を入れ、とにかく煮込みます。

途中肉を取り出して、スペアリブの骨から肉を外し、骨をバキッと折ってまた鍋に戻します。そしてさらに煮込み続けます。

煮込み始めてから約二時間。

白濁したスープができたら、出来上がり。

このスープにスペアリブの肉とキャベツを入れて食べるわけですが、この鍋を頂く時も辛子高菜や万能ネギに合わせてバーソーを汁につけて食べると非常に美味しいです。

 

そしてバーソーをタレにしたしめの豚骨ラーメン

今回のメインは豚骨鍋ではありません。バーソーです。

豚骨鍋の豚骨スープとバーソを合わせたものに茹でた麺を入れます。

辛子高菜と余ったスペアリブの豚肉、万能ネギを散らして出来上がり。

自分で作って食べれば、ああ時間かけて良かったなときっと思えるはずです。

 

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